マンハイム大学(ドイツ)滞在記

社本 陽太 (数理解析系・博士課程1年)

滞在先: 
マンハイム大学(ドイツ)
滞在期間: 
2016/01/10 から 2016/01/24

ドイツ到着の翌日 11 日より,Hertling 教授(以下,敬称略)の隣の部屋に office を貸してもらい,基本的にそこで研究をした.Hertling との議論の機会は大きく分けて 2 種類で,平日のランチタイム及び,ランチの後,Hertling の予定が空いている時であった.Hertling の学生(Doctor の 学生が 2 人,PD が 1 人)とも,お互いの office を行き来する形で議論を行った.また,筆者の興味に近いだろうということで,Hertling が Heidelberg から Thomas Reichelt を呼んでくださり,19 日の午前 9 時半から午後 3 時ごろまで議論の機会を得た.

まず,英語での議論にかなりなれることができたのではないかと思う.Office には小さなホワイトボードしかなく,議論は基本的にほとんど口頭のみの情報で行われた.また,議論の初めに,「日本の学生はわかってなくても頷くことがある」,「もっと stupid question を覚悟で質問をするべきだ」と釘を刺されたので,自分の理解していない部分を明確に伝えたり,理解していることを伝えるためにそれまでの話をおうむ返しではない形でまとめたりする練習をせざるを得なかったのも,大変ではあった が有意義なものだった.数学的な内容についても,論文が書かれた経緯やモチベーション,論文には書かれていないが,発想の元となった簡単な例など,舞台裏を知ったことで理解が深まったものが数多くあった.論文を読んで理解できなかったところが,簡単な例や絵を描いてもらったことで解決したということもあった.また,様々な Conjecture やその背景のアイデア,問題意識も聞くことができた.

ランチタイムにドイツと日本の研究や雇用環境の違いを教えていただいたり,文化の違いにも触れることができた.また,海外での生活はこれが初めてだったので,それに慣れることができたのも一つの成果と言えるだろう.

個人的には,自分の論文を他人が読んで,理解した上で質問をしてくれるという経験が嬉しかった.また,英語力の不足は痛切に感じたものの,論文を書いたり,読んだり,国内の英語で行われる研究集会に出た際に行われていた質疑応答を聞いていた経験をほとんど真似をするような形でも,数学の議論に関してだけならかなりの程度意思疎通ができたことが意外だった.また,教員と学生の距離の違いにも驚いた.教授室と院生室が距離的にも数部屋しか離れておらず,お互いにランチに誘って,頻繁にランチを共にしたり,アポイントメントなしで,フランクに質問に行っていたりもした.これら二つの意外だったことは,自分にとっては良い方向に働いて,おかげで有意義な滞在になったのではないかと思っている.